山陽日日新聞社ロゴ 2011年7月12日(火)
今年も多くの観客
夏を熱く彩る尾道祇園祭・三体みこし廻し
 長江の二つ巴が一番着け
  今年も「神輿洗い」の伝統を披露
広場で神輿をぶつけあう
海に浸かった神輿と人々
 尾道の夏を勇壮・勇猛に彩る祇園祭・三体みこ
し廻しが9日(土)夜、土堂渡し場一帯で開かれ、
今年も会場を取り囲むように埋める多くの観客が
見守る中、白熱のパドルを演じるタイム・トライ
アルから、江戸時代以来の伝統を引き継ぐ「三体
廻し」、そして昨年より再復活を果たしたこちら
も伝統の「神輿洗い」へとなだれ込み、これぞ祇
園さんという勇姿を見せつけた。
 午後6時過、久保新開の八坂神社(祇園宮)を
出発した三基の神輿は、久保亀山八幡宮世話家、
久保地区体協、向島兼孝会、尾道刑務所CFみど
りが丘職員チームに、今年初参戦の尾道市消防局
チームに担がれた「一つ巴」が久保界隈、御袖天
満宮青年部有志と向束八幡神社有志に担がれた
「二つ巴」が十四日・長江界隈、一宮神社総代・
青年部有志に担がれた「三つ巴」が土堂本通りを
練り進み、神の幟が立てられた渡し場へ集結した。
 「尾道ベッチャー太鼓」女子メンバーによる力
強い「舞響」の演奏で、三体廻しの幕開けが華々
しく告げられた後、尾道三体みこし保存会・山根
武夫事務局長(久保亀山八幡宮総代会事務局)が
挨拶に立ち、「振り返れば昭和53年にJCの尽力
によって復活を果たした三体みこしも、今夏で
33年の節目を迎える。伝統を絶やすなという思い
を引き継ぎ、JCを始め各参加団体のお力添えの
下に、次世代へと繋げて行きたい。今年は東北大
震災もあり、尾道から被災地へ向けて、また暗く
沈んだ日本へ向けて、三体みこしの力強い元気を
発信したい」と力強く述べた。
 三体のお披露目、次いで三体廻しと共に名物・
見所となっている三体揃い踏みの雄姿と続いた後、
巴同士のバトルとなる、白熱のタイムートライア
ルヘ突入した。
 今年は一つ巴、三つ巴、二つ巴の順にトライア
ルヘ入り、一つ巴が4秒85、三つ巴が4秒18、二
つ巴が3秒47という結果で、例年一宮神社チーム
による三つ巴の独断場だった感がある中、御袖&
向東チームの二つ巴が1位のタイムを叩き出し、
一番着け」の権利をもぎ取った。
 この後、勝者の二つ巴から順に幟へ着けられ、
力水が掛けられながらの美しい三体廻しが繰り広
げられると祭りは最高潮に達した。
 三体廻しを終え、一つ巴と三つ巴が会場を去る
中、二つ巴のみが会場へ残り、勝ち鬨の気勢を上
げてそのまま桟橋を駆け下りると、尾道水道へ落
とされ、海中で廻される伝統の「神輿洗い」が行
われた。「神輿洗い」は神輿を海水で清める神事
的な意味合いを持つもので、三体廻し同様に古い
伝統を誇る。
 今年は前夜祭で復活した巴の纏(まとい)が三
体廻しに合わせて新調され、神輿をいなせに先導
して華を添えた。
 「写真」=上..三体廻しの勇姿(赤田洋茂氏撮
影提供)、下..海へ入れられる二つ巴神輿(木下
琢啓氏撮影提供)。



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